豊島区最西端にある「長崎」は、都心部に近いと思えないほど落ち着いた雰囲気が漂っています。
池袋に出やすいという利便性の高さと、静かな住環境がこのエリアの魅力です。
《歴史》
■昔の長崎
鎌倉時代末期、この辺りが長崎氏の領地であったことから「長崎」と名付けられたと伝わっていますが、確証となる文書は存在していないようです。
室町自体にはすでに“長崎村”とは呼ばれていたものの、明治時代あたりまでは長閑な農村であり、あとは雑木林が広がる場所でした。
■今の長崎
住宅地として注目されるようになったきっかけは、1923(大正4)年に発生した関東大震災です。
震災の被害がさほどなかったこと、その数年前に現在の西武池袋線にあたる武蔵野鉄道が開通しており都心部方面へ出やすかったことから、多くの人が新たな家を構える場所として長崎を選択。住宅街を中心として開発されていったのです。
《地理》
長崎からは西武池袋線の東長崎駅の利用ができ、池袋まで2駅という利便性の高さが魅力。各駅停車しか止まらないという欠点はあるものの、乗車時間はわずか2駅5分程度ですし、急行や快速などと比べて混みにくいため逆に利点と言えるかもしれません。
また、都営大江戸線の落合南長崎駅や、東京メトロ有楽町線及び副都心線の千川駅もエリア内にあるため、目的地によって路線を使い分けることが可能です。
早いうちから住宅街として発展したこの長崎は1区画が狭めで、一戸建てやアパート、3~4階程の低層マンションが中心です。大規模マンションがない分日当たりが良い物件も多く、東京に住みながら空を広く感じることが出来るのは大きな魅力でしょう。道路も同じような理由でやや狭いため、自動車よりも自転車での移動が便利でおススメです。
《買い物》
東長崎駅周辺には大小合わせて6つの商店街が集まっています。昔懐かしい鮮魚店や精肉店、お茶屋や青果店、花屋などが建ち並び、食料品を含む生活必需品はすべてこちらで揃えることが出来るでしょう。こういった商店街は閉店する時間が早いため、仕事で帰宅が遅くなりがちな方には少し利用しにくいものですが、23時まで営業している西友や東急ストアといったスーパーも複数ありますので安心してください。
マクドナルドや松屋などの大型飲食チェーン店から、個人経営のラーメン屋や蕎麦屋、洋食屋、居酒屋など食事をする場所も充実しており、外食派の方も安心。
池袋からの距離もあまりないため、そちらを利用する方も多いようです。
《施設》
最初から“住む”場所として開発され続けてきた長崎は、ほとんどが閑静な住宅街で大型の施設などは存在していませんでした。
それまでは「遊ぶのなら池袋へ」というのがほとんどでしたが、落合南長崎の駅近くに2012年に5階建ての複合型ショッピングセンター“アイテラス落合南長崎”が、2013年にその向かいに“豊島区立南長崎スポーツセンター”がそれぞれ建てられてから、多くの住民が集まるスポットとなっています。
スポーツセンターで温水プールやトレーニングジム、多目的広場や芝生広場などで遊んでから、正面のショッピングセンターでカフェを楽しんだり買い物を済ませて帰る、という方も多いようです。
このアイテラス落合南長崎は、駅直結といった点も嬉しいところ。四季折々のイベントも定期的に開催されていますので、大人だけでなく子供も楽しめるスポットとなっているようです。
東京のベッドタウンとして成長してきた「長崎」。
知名度的にはさほど高くはありませんが、東京で日当たりの良いゆったりとした住宅街に住みたいのであればピッタリなエリアなのではないでしょうか。